キャリアアップ助成金とは?仕組みや対象・金額なども詳しく解説します!

キャリアアップ助成金

現在では、多くの助成金制度がありますが、その中でもキャリアアップ助成金というものをご存知でしょうか?

事業主が、効果的な従業員活用を行い会社の活性化を目指せるようにするための制度ですが、実際にどのような仕組みになっているのか分からないという人も多いでしょう。

そこで今回は、キャリアアップ助成金の基本内容について詳しく解説していきたいと思います。

目次

キャリアアップ助成金とは?

キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者のようないわゆる非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを促進するために、正社員化や処遇改善を行った事業主に対して助成金が支払われるというものです。

これまで、非正規雇用で働いていた従業員のうち約2割は、正社員を希望していながら、実際には正社員の職に就けない人が多く、派遣社員に至っては約4割がやむを得ず派遣社員として働いているという状況でした。

そのような環境を解消するために、キャリアアップ助成金制度が作られたのです。

キャリアアップ助成金の対象となる従業員とは?

キャリアアップ助成金の対象となる従業員は、下記の全てに該当する事が条件となっています。

  1. 支給対象となる事業主に通算して6か月以上雇用されている有期契約労働者
  2. 支給対象となる事業主に6か月以上雇用されている無期雇用労働者
  3. 6か月以上継続して同一の業務に従事している派遣労働者
  4. 支給対象となる事業主が実施した有期実習型訓練を受講し、それを修了した有期契約労働者等
  5. 正規雇用労働者として、雇用することが約束されて雇用された有期契約労働者等でないこと
  6. 転換、直接雇用を行った当該事業所の事業主または取締役の3親等以内の親族以外であること
  7. 転換日、直接雇用日の前日から起算して1年6か月前の日から、当該転換日及び直接雇用日の前日から起算して6か月前の日までの間に、支給対象となる事業主と資本的、経済的に密接な関係にある事業主に下記の「雇用区分」①または②のいずれかにより雇用されていない者である
  8. 短時間正社員に転換または直接雇用された場合は、原則として転換または直接雇用に所定労働時間または所定労働日数を超えた勤務をしていない者であること
  9. 障害者の日常生活および社会生活を総合的に支援するための法律施行規則第6条の10に規定する、就労継続支援A型の事業における利用者以外の者であること
  10. 支給申請日に、転換または直接雇用の後の雇用区分の状態が継続していて、離職していない者であること
  11. 正規雇用労働者に転換または直接雇用される場合、正規雇用労働者として雇用
  12. 無期雇用労働者に転換または直接雇用される場合、正規雇用労働者または無期雇用労働者

さらに、下記の2つに該当しない事も条件となっています。

  1. 有期契約労働者等から正規雇用労働者に転換及び直接雇用される場合、当該の転換日・直接雇用日の前日から過去3年以内に当該事業所において正規雇用労働者として雇用された事がある
  2. 無期雇用労働者に転換及び直接雇用される場合、当該の転換日・直接雇用日の前日から過去3年以内に当該事業所において、正規雇用労働者または無期雇用労働者として雇用されたことがある

キャリアアップ助成金の対象となる事業主とは?

キャリアアップ助成金の対象となる事業主は、下記の条件全てに該当する事業主となります。

  1. 有期契約労働者等を正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換する制度を就業規則等に規定している事業主であること
  2. 上記①の規定に基づいて、雇用する有期契約労働者を正規雇用労働者もしくは無期雇用労働者に転換した、または無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換した事業主であること
  3. 上記②により転換後6か月以上継続して雇用し、当該労働者に対して転換後6ヶ月分の賃金を支給した事業主であること
  4. 多様な正社員への転換の場合は、上記①の制度の規定に基づき転換した日において、対象労働者以外に多様な正社員を除く正規雇用労働者を雇用していた事業主であること
  5. 支給申請日に当該制度を継続して運用している事業主であること
  6. 転換前の基本給よりも5%以上昇給させた事業主であること
  7. 転換日前日から起算して6か月前の日から1年を経過する日までの間に、当該転換を行った事業所で雇用保険被保険者を解雇等の事業主側の都合により離職させた事業主以外の者であること
  8. 転換日前日から起算して6か月前の日から1年を経過する日までの間に、当該転換を行った事業所において、雇用保険法第23条1項に規定する特定受給資格者となる離職理由の中で、離職区分1A、または3Aに区分される離職理由により離職した者として、同法第13条に規定する受給資格の決定が行われたものの数を、当該事業所における当該転換があった日における雇用保険被保険者数で除した割合が、6%を超えている事業主以外の者であること
  9. 上記①の制度を含めて、雇用する労働者を他の雇用形態に転換する制度がある場合にあっては、その対象となる労働者本人の同意に基づく制度として運用している事業主であること
  10. 正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換した日以降について、当該者を雇用保険の被保険者として適用させている事業主であること
  11. 正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換した日以降について、当該者を社会保険の被保険者として適用させている事業主であること
  12. 母子家庭の母等または父子家庭の父の転換に係る支給額の適用を受ける場合は、当該転換日に母子家庭の母等または父子家庭の父の有期契約労働者等を転換した事業主であること
  13. 若者雇用促進法に基づく認定事業主についての35歳未満の者の転換に係る支給額の適用を受ける場合は、当該転換日より前に若者雇用促進法第15条の認定を受けていて、当該転換日において35歳未満の有期契約労働者等を転換した者である。または、支給申請日においても引き続き若者雇用促進法に基づく認定事業主であること
  14. 勤務地限定正社員制度または職務限定正社員制度に係る加算の適用を受ける場合は、キャリアアップ計画書に記載されたキャリアアップ期間中に、勤務地限定正社員制度または職務限定正社員制度を新たに規定し、有期契約労働者等を当該雇用区分に転換した事業主であること
  15. 生産性要件を満たした場合の支給額の適用を受ける場合は、当該生産性要件を満たした事業主であること

非正規雇用労働者の処遇改善をした際に受け取れるキャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金に関しては、2022年10月から要件が少し変更されています。

  • 有期契約労働者から正社員への転換を行った場合は、1人あたり57万円
  • 無期雇用労働者から正社員への転換を行った場合は、1人あたり28万5千円

従来は、有期契約労働者から無期雇用労働者への転換も、助成金の対象となっていましたが、現在では有期契約労働者から無期雇用労働者への転換は助成金の対象外となっています。

全て合わせて、1年度1事業所当たりの支給申請上限人数は15人までとなっており、助成金額は下記の場合に限り加算されます。

「派遣労働者を派遣先で正規雇用労働者または多様な正社員として直接雇用した場合」

1人あたり28万5千円(大企業も同額)

「母子家庭の母等または父子家庭の父を転換等した場合・若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を転換等した場合」

1人あたり9万5千円、1人あたり47,500円(大企業も同額)

「勤務地、職務限定正社員制度を新たに規定し有期契約労働者等を当該雇用区分に転換または直接雇用した場合」

1事業所あたり95,000円

まとめ

さて今回は、キャリアアップ助成金の基本の仕組みについて詳しく解説してみました。

助成金の対象や金額などは、頻繁に変更する可能性がありますので、最新の情報は常に厚生労働省などのホームページで確認するようにしましょう。

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