キャリアアップ助成金申請の流れとは?注意点なども解説します!

キャリアアップ助成金は、パート・アルバイト・派遣社員などを正社員雇用し処遇改善した事業主に対して支給されるもので、労働者のモチベーションアップにも繋がる魅力的な制度と言えますね。

しかし、実際にキャリアアップ助成金を受け取るには、どのような手続きが必要なのか分からないという人も多いでしょう。

そこで今回は、キャリアアップ助成金申請の流れとは?というテーマで、キャリアアップ助成金申請の際の注意点も踏まえながら解説していきたいと思います。

労働者の処遇改善を行って、キャリアアップ助成金を申請したいと思っている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

キャリアアップ助成金申請の際の必要書類

ではまず、キャリアアップ助成金申請の際に必要になる書類をご紹介していきましょう。

キャリアアップ助成金(正社員コース)を申請する際は、非常に多くの書類が必要になります。

必要書類に不備があると、それだけ申請手続きが長引いてしまうので注意しましょう。

また、必要書類は毎年変更になるので必ず厚生労働省のホームページなどで最新の情報を確認しておく事も大切です。

  1. キャリアアップ助成金支給申請書(様式第3号)
  2. 正社員コース内訳(様式第3号別添様式1-1)
  3. 正社員コース対象労働者詳細(様式第3号別添様式1-2)
  4. 支給要件確認申立書(共通要領 様式第1号)
  5. 支払方法、受取人住所届(未登録の場合に限る)

上記の必要書類に関しては、厚生労働省のホームページにて申請書をダウンロードする事が出来るので、必要な際は厚生労働省のホームページを参考にしましょう。

  1. 労働局の認定を受けたキャリアアップ計画書(写)
  2. 労働協約(写)または就業規則(写)
  3. 対象労働者の転換前後の雇用契約書または直接雇用後の労働条件通知書、または雇用契約書(写)
  4. 対象労働者の賃金台帳(写)
  5. 賃金3%以上増額に係る計算書
  6. 対象労働者の出勤簿またはタイムカード(写)
  7. 中小企業事業主であることの確認書類
  8. 最新の生産性要件算定シート(共通要領様式2号~2-6号)及び、財務諸表等の原本コピー
    (賃貸対照表、損益計算書、販売費および一般管理費明細書、製造(売上)原価報告書など)

上記以外としては、母子家庭の母又は父子家庭の父を、転換等した場合の助成額の加算を受ける場合は、追加で資料が必要です。

キャリアアップ助成金申請の流れ

では次に、実際のキャリアアップ助成金申請の流れを解説していきたいと思います。

キャリアアップ計画書を作成して労働局へ提出する

まず1つ目は、キャリアアップ計画書を作成して労働局へ提出します。

キャリアアップ計画書は、事業所ごとにキャリアアップ管理者を配置し、3年以上5年以内の計画期間を定めて作成されます。

いつ頃に正社員への転換を行うのかや、目標達成するための措置などを記載する書類で、キャリアアップ計画書を作成したら労働局へ提出し労働局長の認定を受ける必要があります。

キャリアアップ計画書は、転換・直接雇用を実施する日までに提出しなければなりません。

また、以前にキャリアアップ計画書を提出していたとしても期間が過ぎている場合は変更届を提出する必要があります。

就業規則に転換制度を規定して労働局へ届け出る

2つ目は、就業規則に転換制度を規定して労働局へ届け出ます。

転換の規定は、状況によって記載する内容が異なります。

そのため、労働者代表の意見を聴いたうえで労働基準監督所へ届ける必要があるのです。

施行日は、正社員転換よりも前である必要があるので注意しましょう。

労働者を転換する

3つ目は、就業規則に則って試験・面接を行い合格後に労働条件通知書を交付し労働者を転換します。

規定した方法以外で転換を行うと認められないので注意しましょう。

転換後6ヶ月間の賃金を、転換前6ヶ月間の賃金と比較して3%以上増額している事が必要です。

転換後6ヶ月間雇用を継続した後に支給申請を行う

4つ目は、転換後6ヶ月間雇用を継続した後に支給申請を行います。

6ヶ月分の賃金を支給した翌日から2ヶ月以内に、労働局へ支給申請を行います。

 小見出し5、審査・支給決定

そして、提出した書類について労働法令の違反がないか審査が行われます。

出勤簿と時間外手当の計算など細かく審査が行われ、審査を無事に通過すると支給決定の通知書が交付され助成金が振り込まれます。

申請から支給決定までは、約半年ほどかかると思っておきましょう。

キャリアアップ助成金申請の際の注意点

それでは最後に、キャリアアップ助成金申請の際の注意点を解説していきます。

出来るだけスムーズに申請手続きが済むように、必ず覚えていきましょう。

申請期間

まず1つ目は、申請期間です。

正社員コースのキャリアアップ助成金申請期間は、転換後6ヶ月分の賃金を支給した翌日から2ヶ月以内と定められています。

この期間を過ぎてしまうと、キャリアアップ助成金申請手続きを行う事が出来なくなるので注意しましょう。

賃金の3%以上の増額

2つ目は、賃金の3%以上の増額です。

キャリアアップ助成金申請を行うためには、転換後6ヶ月間の賃金を転換前6ヶ月間の賃金と比較して3%以上増額している必要があります。

通勤手当や毎月変動する時間外労働手当などは、対象外になり2021年度から賞与についても含まれなくなっています。

また、固定的な給与も就業規則に記載されていない場合は含まれませんので注意しましょう。

生産性要件

そして3つ目は、生産性要件です。

生産性の上乗せ給付を申請する場合は、この生産性要件にも注意が必要です。

要件は、下記のいずれかを満たす必要があります。

  • その3年度前に比べて6%以上伸びていること
  • その3年度前に比べて1%以上(6%未満)伸びていること

まとめ

さて今回は、キャリアアップ助成金申請の流れとは?というテーマで、手続きの流れや申請の際の注意点も踏まえて解説してみました。

キャリアアップ助成金申請には、多くの書類が必要となります。

また、必要書類だけでなく助成金の対象なども変動する可能性がありますので、常に厚生労働省のホームページにて最新情報を確認するようにしましょう。

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